デッキ考察:2020年の偶数グズ子
2018年。当時のルリグ全強化&夢限初登場パックとなるキーセレクションパック第三弾、【ユートピア】にて、彼女は現れた。
その名は「超罠 モリアーティ」。強烈なパワーデバフ撒き散らし効果、偶数軸ならほぼほぼ確定招集できる出現時効果、そしてキーセレクションのシグニでありながら相手の行動に強烈に干渉する常時効果。
このカードと噛み合う効果を持ったキーが同パックに現れたことも相まって、「偶数グズ子」というデッキは瞬く間に強くなっていった。
そして、時は2020年。
時代は彼女に追いつき、彼女の制圧効果を真っ向から打ち破るカードも現れた。
墓地から奇襲をかけて効果を使おうにも、その蘇生防御自体を真っ向から否定するシンデレラもコリジョンにて姿を現す。
それでも、彼女が強いカードであることには変わりない。そして、偶数グズ子にも希望が来る。
2020年の偶数グズ子が、今動き出そうとしていた。
というわけで、「偶数グズ子」のデッキ紹介です。
個人的にすごく好きなデッキタイプなんですが、最近は他のカードのカードパワーの増加でおいそれと使いづらくなっておりまして。
青ゲインには効かねえわギバラには蘇生防御したらバニラにされるわそもそもダイレクトが通りづれえわと。それでも今の環境で偶数グズ子をどうにか使えないもんかと考えに考えた結果この構築に辿り着きました。
それでは、デッキリストの紹介です。
・ルリグデッキ
ルリグレベル0~3
リミット:0→2→5→7
コイン総数:5枚
割とスタンダードな動きです。
レベル3のリミットを6にする人もいるとは思いますけど自分はダイレクトにも希望を託したかったのでこのコイン枚数にしました。
応援の歌姫 グズ子
安定のレベル4。出現時効果は実質お飾りですが、Wピルルクキーを使う相手には起動効果のトップ固定も地味に使えるのがポイント。
ダイレクトは無理して通そうと思わず、相手の手札か防御札を強引に吐かせる目的で使いましょう。
一途の巫女 ユキ
「偶数グズ子」成立の立役者。コイン1枚で初動2枚サーチしつつセレハピの餌になる無駄のないカード。
エクシード2も速攻デッキ相手とかに使うことあるので覚えておきましょう。
添遂の閻魔 ウリス
このデッキの防御面を支える1枚。
《超罠 モリアーティ》と合わせることでほぼ確定で毎ターン1面ロックし、面倒なシグニはエクシード1で屠れる優秀なキー。
ルリグの色染めの常時効果はあってないようなもの。
セレクト・ハッピー5
とりあえずキーが2枚あるんで採用。このデッキでは単純に防御としてだけでなく、札回収としても使います。
実質3回好きな攻撃1回止めれるパワーカード。これで0コスってマジ?
メンダコギロチン
普通に使う分には防御面数が少ないアーツですが、モリアーティに防御の大半を託しているこのデッキでは大した問題にはなりません。
主な目的はギバラや青ゲインといった、モリアーティ効果の障害を潰すことです。それと札回収。
トラッシュ送り効果はよっぽどの事ないと使わないですね。ハンドリソース削るのは極力避けたい。
後述しますが1面フリー蘇生アーツである《グレイブ・アウェイク》との択になります。環境見て調整ですね。
バッド・チョイス
ギバラが怖いですが採用。モリアーティ2体同時に出せばパワー12000のシグニ焼けるんでウリスキー効果と組み合わせればリルやナナシ対面でも無い限り2面焼き+全面防御が実現します。もしギバラが相手の場に立ってたら(採用している場合)メンダコギロチンで効果潰します。2体立ってたらハンド削ってでもトラッシュに叩き込みます。
モリアーティのパワーマイナス効果は出現時能力でないためこいつの制約をすり抜けれます。便利です。
メインデッキ
LB枠
超罠 モリアーティ*4
偶数グズ子の要。パワカ。このデッキが確立した理由。攻撃ロック効果は正直今でも通用するんで4投でいい。最近はアタック時除去も増えてきましたんで刺さると思います。出現時効果も4グズ子のトップチェック効果後に使うと次の動きが立てやすく無駄が無いです。
LBは盤面次第で捲れようもんなら全面除去にも効果なしにもなるんで振れ幅が大きい効果ですね。
罠書竜 ティアマー*4
偶数グズ子に与えられた新たなカード。ハンド補給と凶悪なアタック時除去効果を持つ優秀なカード。ハンドコストこそあるとはいえLBも強力。4~3枚。アタック時効果は強烈だがただ手札消費が荒くなるので手札の状況とは要相談。
コードVL 御伽原江良
偶数ですし白エナもメンダコの餌にできるんで、投入。黒デッキ対面でも刺さるんで。ただ相手の場に居座られるとバッチョが息しなくなるんで全力で潰しにかかりましょう。メタとしての採用であるためピン刺し。
中罠 ハンプティ・ダンプティ*3
中盤の要求要員。レベル4盤面でも立つ。
調整中。4でもいいかもしれない。たまに面明けに使わないで居座られると面倒な中級シグニをパワーマイナス込みで殴り倒すことがあります。
超罠 ヤミカネ
ピン投。相手の厄介なシステムシグニ(皇女、ギバラ等)を無理やりどかすのに使う。自動効果は使えたらいいな程度。エナを食うので使うときはエナと相談。
羅星姫 ブラックホール
ピン刺し。主にメイン除去してザロウの下敷きになる。このデッキにはアウェイクもウトゥルスキーも無いが黒2エナでメインフェイズに相手のレベル4シグニを1体焼けるっていうだけでも強い。環境次第ではティアマーの枠を少しこっちに割いてもいいかもしれない。
LBも侮れない。
中罠 トケイウサギ*2
ティアマーのアタック時効果のサポーター。このカード1枚で2体分ティアマーの「的」ができる。LB枠なのが惜しいところだが、それでも強力。ただティアマーとのコンボ前提のためこの枚数。稀にハンプティダンプティと合わせて5000パワーシグニを焼くこともある。
コードアンチ ラティナ
このデッキにおいては比較的使いまわしが効くためピン刺し。グズ子デッキにおいてルリグアタックを放棄することは珍しいかもしれないが、時は2020年。Wピルルクキーでもやられたらどうしようもない上、デッキからモリアーティを引っ張ってこれるのは十分魅力。基本モリアーティやアルババを引っ張ってくるが、たまにバウンスして面空けもこなす。器用。後述のアルババで蘇生して使いまわせるのもグッド。
弩書 ザ・ロウ*2
パワカ。偶数グズ子でももちろん採用。緑エナある相手に対してはリムーブして場に残さないことも。自縄自縛には警戒して使いましょう。回収効果は時と場合によって何を拾うか変わる。モリアーティ拾うか、ティアマー拾うか。サバを拾うか。
サーバント D4
ワンチャンにかけて回収鯖も1枚は投げ込んでおきます。正直鯖の数的に詩子お姉さんと交換してもいいです。選択枠です。
非LB枠
小罠 クラウン・キャノン*3
初動。ユキキーで引っ張ってきて展開する。
1枚LBに隠れてても2面展開できるように3投。ぶっちゃけ詩子お姉さん採用しないならこのレベル1枠は黒のバニラであれば何でもいいです。
中罠 アルババ*4
こいつ本当にレベル2か?というくらいイカれた性能。偶数軸では相当活躍。蘇生するカードは時と場合に応じて変化。札が欲しければラティナ、面を開けたければピアノセンかハンプティダンプティ。たまにザロウの下敷き確保のため使うことも。
アウェイク採用している場合アウェイクからこいつ呼び出して数面除去を図る時があります。
中罠 ピアノセン*4
レベル指定除去は大きい。4投。中盤の面空け担当。アウェイク採用型の場合アリババから出てきて相手ターン中に処理する。
超罠 モラン
ピン刺し。糾うのアークエナジェ対策に。出番が終わったらザロウの下敷きに早変わり。
サーバント D2*4
サーバント Q2*4
確定枠。 サーバントのレベルが固まりやすいため、華代が重いのはご愛敬。バースト枠との兼ね合いで1枚をモランとか別の偶数のLB無しカードにしてもいいかもです。
・この構築の長所
ティアマーをメインアタッカーに採用したことで、緑デッキに強くなりました。その場合はトケイウサギの起動効果を使う必要もないため、ハンドさえあれば除去しやすいです。
また、これによりモリアーティがあまり刺さらない相手に対してティアマーを中心に立てるなど、使い分けもしやすくなり、恒常バニ耐持ちでもない限り得点力がアップしました。
パワーマイナスとバニッシュを両立できるようになったおかげでこれまで以上に柔軟に戦えるようになりました。
・この構築の短所
《グレイヴ・アウェイク》も採用した型と比較すると蘇生アーツを減らしたことにより、モリアーティの奇襲妨害がやりづらくなりました。モリアーティが場に残っていればそれを起点に防御できるのですが、ティアマーを並べて攻め立てた後などはどうしても盤面に隙ができます。この構築の痛いところです。
一部シグニに防御の一部を託しているとこういったところで弊害が生じますね。
正直メンダコは環境次第でアウェイクに切り替えてもいいと思います。
あとティアマー、トップ仕込み前提だったJリッパ―よりかは使いやすいのですが、ハンドコストがやはり重たいので考え無しに使えるものでは無いです。
一部カードとの連携にも依存しているため使いどころは慎重に考えた方がいいかもです。
・このデッキにとってきついカード&デッキと考え得る対抗策
・黒カニMAIS
ユートピア期からの天敵。大体モリアーティ潰されます。仕方ないのでティアマー中心に攻め立てましょう。詰めの盤面でギバラを立てて相手の蘇生を妨害するのもお忘れなく。
・青ゲイン(青タマ)
モリアーティもティアマーも機能停止します。
そもそも青タマはハンデスがきつすぎてこのデッキ自体が苦手としています。極力速攻を心掛けましょう。
ウリスキーなりメンダコなりで無理やりでもいいんで耐性効果を飛ばしてください。こいつさえ自由に行動させなければまだ勝機はあります。多分。
・ギバラ
バッドチョイスとカチ合わなければいいので、メンダコの力を借りることになりそうです。メイン除去で場のレベル4を枯らされると、ウリスキーでどかしてからバッドチョイス、なんてこともできません。しゃーないんでその時は(採用していれば)メンダコ使いましょう。
・羅星姫 ブラックホール
モリアーティが簡単に飛ばされます。こいつの効果を何回も使われると面倒なので、ウトゥルスキーなどで蘇生させてくる前にセレハピなりメンダコなりで除外しましょう。
・にじさんじデッキ
正直青タマや黒カニ並みに戦いたくない相手です。もののべのメインバウンスで蘇生防御しづらかったりるるキーで序盤簡単に面こじ開けられたり皇女効果でピアノセンもトケイウサギもハンプティダンプティも効かなくなるなどとにかく重い。ギバラもいつの間にかもののべ起動効果でリクルートされていたりと、厄介この上ない。対抗策としてはこちらもある程度防御投げ捨てましょう。ティアマー中心に積極的に要求して、速攻で轢きましょう。このデッキ相手だと4でダイレクト撃たないとほぼ腐ると考えていいです。(十中八九わたくしで隠さなきゃ(マスト・ハイド)のせい。特にでろーんデッキや静凛デッキだとサポーターキーによるルリグアタック妨害もあるため先にレベル4に上がれなければダイレクトは息をしないと考えていい。)
救いなのは序盤でギバラを切ったりエナに置いてしまうとザ・ロウやメンダコ採用していない限りほぼほぼ回収が困難なところ(セレハピでの回収も無くは無いですが、にじさんじデッキにおいて採用されるキーは破棄時に大体二次惨事を相手に起こすのでぶっちゃけエマと異なりセレハピ使う方が弱いです)。正直ここはお祈りです。メンダコ採用してバッチョの時だけ無力化する手段もありますがアウェイク採用時はどうしようもないのでウリスキーのエクシード1の肥しにしましょう。
・華代
準専用アーツで使用可能なサーバントを絞ってきます。偶数軸にとってはこの効果がきつく、またメインでの除去も容易なため、気を付けないとあれよあれよという間に轢かれます。
ただ、モリアーティで執拗に防御を重ねて凌ぎ切れればまだ楽です。焦らずゆっくり追い詰めていきましょう。
この対面の場合、立てるのを優先するのはティアマーよりかはモリアーティの方が良いです。
また、デッキ構築の話になりますが華代に対してはメンダコ採用型よりアウェイク採用型の方がまだやりやすいと思います。というのも、華代デッキのシグニはほとんどパワーラインが低いため、序盤であってもアウェイクでアルババ蘇生してそこからアルババ→ピアノセンで続けれればアウェイクでレベル3盤面であっても結構防御できるためです。正直理想論ですがその割に実戦でも使えることが多々あるので覚えて損はないと思います。
・採用候補カードとそのカードを採用しなかった理由
・《開かれし鍵門 ウトゥルス》
キーで蘇生防御ができるのは強いのですが、そもそも《超罠 モリアーティ》の強みの1つとして《添遂の閻魔 ウリス》のレベル操作効果と組み合わせた確実性の高いロック性能があるため、不採用。
・《ビカム・ユー》
【ユートピア】~【ワイルズ】あたりまでは入れていました。速攻プランとしては最適ですが、このカードを搭載するとどうしても守りが薄くなると判断したため、採用を見送りました。速攻型に振り切るとしたら採用はあり。その場合キーもウトゥルスキーでいいかも。
・《グレイブ・アウェイク》
《メンダコギロチン》との選択枠。今回はギバラに怯えたため不採用。蘇生手段が2枚ある分モリアーティの奇襲防御を行いやすくなるため、こっちを採用してもいいかもしれない。こいつを採用すると華代あたりが少し楽になる(理由は上述)代わりに青タマがより辛くなります。環境次第で選択だと思います、この枠は。
こいつを入れる場合誰を呼び出すかは様々で、モリアーティ飛ばして奇襲防御を行いながら展開なんかはもちろん、ブラホ呼び出して5エナで2面防御図ったり序盤に攻め立てられた時にアルババ連鎖からピアノセン呼び出して防御したりやることが案外多いです。メンダコと異なり気軽に使える除去カードではないですが、1枚で2,3面防御できる可能性を持つ優秀なアーツです。
・《超罠 J・リッパ―》
トップ操作カードとの組み合わせが前提な効果であるため、不採用。(一応ティアマーも単体では要求できないが、こちらと比べると手札を消費するとはいえまだ要求範囲は広い。)今後レベル2でトップ操作が容易なシグニが出てきたら話は変わるが...
・《コードVL 鈴鹿詩子》
LB有サーバントと選択。このデッキはティアマーのせいでハンドの消費が若干荒くなっているのもあり、トリックシグニ多めのこのデッキなら十分採用圏内。ロック効果も十分強力であり、それが刺さらなくても最悪ザ・ロウの下敷きにすればいい。その場合は単純な札変換カードとして割り切って使う。
・《貨英の変動 エフエックス》
デッキ掘り要員。LBも悪くはないのだが、このデッキではラティナやティアマーの存在の関係でモリアーティを探しに行きやすいのもあり不採用。
総括
ティアマーの存在が本当にでかい。自前で札稼ぎする上に除去もこなせる有能カードでした。それでも今の環境下で耐性持ちシグニだったり気軽に要求に行けるアタッカーシグニが入っていないのは正直きついです。モリアーティの防御性能とメイン除去性能がえぐいのがまだ救いでしょうか。
コロナのせいで改造後は一人回しくらいしかできてないんですが、騒ぎが収まったら実際にWIXOSS PARTYなどで試したいですね。
ただ正直、青タマ、華代、糾う、にじさんじあたりに対しては辛いところがあるのと、ギバラがとにかく重いデッキであるためCEREMONYに持ち込む勇気は無いです。リンカーネイションの新規に期待しています。
それでは。